“人はお金さえあれば幸せになるというものではありません。たとえば国際比較調査では、一人あたりGDPが一万ドルくらいまでは、所得が増えるほど幸福度が上がるのですが、
一万ドルから一万五千ドルを超えたあたりで、幸福度との相関が弱くなると言われています。つまりそのくらいから、お金だけでは幸せを感じることができなくなるのです。
では、どういったところで幸せを感じるのでしょうか。
その答えは、「身近な他者に対して手助けをすること」にあります。
社会貢献という言葉は、いまや流行り言葉ですが、誰かのためになることをしたいと考えている人に、「幸せだ」と考えている人が多いのです。
しかも、たとえば地球環境全体、人類全体のことを考えて貢献しようという人よりも、自分の身の回りで、自分にできることから始めていこうという人の方が、幸せになる度合いが高いということも分かりました。
これは、社会貢献というものを、ちょっと重たい、堅苦しいものだと考えている人には、意外な結果かもしれません。
この本で話しているのは、こうした「幸福感を生み出す他者への貢献」とはどのようなものかということです。
そして、今の日本社会では、どんな貢献が求められているのか、なぜ他者を手助けすることがこの社会に必要なのかといったことについて、歴史をさかのぼりながら説明しています。
「何か自分にもできることがないか。そう思いながら、でもどうしていいか分からない」という人にとって、本書は「意味のある他者への貢献」を考える、ひとつの材料になるのではないかと思います。 (「まえがき」より)
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